代表の平山です。
過去に何度も起業・創業・開業を繰り返してきた私ですが、今この時期は、過去のどの時期よりもビジネスを始めるタイミングとして”恵まれている”と感じます。この記事では、その理由となる数々のメリットと、その反対に注意点・留意点について述べたいと思います。
令和4年現在での起業についての利点
1,コロナに関連して失業・起業関連の補助金が多い
- コロナが原因での失業であれば、各種手当が出やすくなっています。給付要件が緩和されたり、給付期間が自動延長されるなどの特例があります。
- 一時的に収入が減った家庭への給付金や見舞金や無利子の貸付金など、国や市町村や各種行政機関で用意されており、ゼロから再出発する人間への追い風となっています。
- 持続化給付金の「創業枠」が拡大されているなど、ビジネス支援補助金の選択肢も増えています。
- 他にも、他者からの事業承継であったり、IoT分野での新技術開発であったり、条件次第で受けられる補助金等が色々と存在しています。
2,長期的な不況もあり、様々な費用が安い
- 開業に要する様々なコストが、一昔前よりかなり安くなっています。税務会計、家賃、広報、法人化する場合の登記費用などなど、それぞれの詳細はまた改めて記事にしたい所ですが、とにかく長引くデフレや価格競争の結果、比較的少ない自己資金で開業が出来る時代です。
3,借入金の負担が軽い
- ある程度の運営期間が必要ではありますが、新型コロナの影響が認められる業種や業態であれば、運転資金の借り入れの審査や利子などの面で、かなり有利な融資が受けられる事が多いです。
- 今後インフレ傾向になるとしたら、返済が楽になるわけですから、更に有利です。(これについては全く未知数ですが)
令和4年現在での起業についての懸念・留意点
1,インボイス制度の導入が近いため、BtoBメインの業種は要注意
インボイス制度についての詳細はここでは割愛しますが、かなり乱暴にまとめると「来年10月からは、きちんと消費税を納めていないと、企業からの依頼や受注が減ってしまう可能性が高い」という事になります。
これまで、開業3年を経ていない業者や売上が1000万円に満たないような、小さくて弱い所は消費税を国に納めなくとも良いよ、という温情的な措置があったわけですが…
今後、もし取引先に企業が多い商売をする場合は、そのような優遇を自分から捨てて、毎年売上の1割を国に納めて「認定事業者」となり、インボイス対応のしっかりした領収書を出せるようにしないと、仕事自体が回って来なくなるかもしれない、という点は押さえておくべきでしょう。(個人相手の商売なら影響は少ない)
とはいえ、インボイス制度についてはまだ不明な点や議論となる余地があります。
- 結局、認定事業者でなくとも仕事は回ってくるのではないか?
- 自分はお客様から「消費税」を計上して受け取っておいて、それを納めないのは道義的に許されるのか?
- そもそもコロナ禍以前の計画(インボイス制度)が、この情勢で予定通り実施されるのか?
こういった点について、現在開業を予定されている方や、開業したばかりの方は、国の方針や世間の動向を注意深くチェックしていく必要があると思います。
2,社会的問題への対処は厳重に。炎上即廃業の危険も
昨今は社会的な大きな変化が連続して発生しています。コロナ禍はその最たるものですし、戦争などの世界情勢、SDGsの推進、SNS等を通した消費者意識の高まりと共有化などなど…
要するに、世間や社会倫理に敵対するような振る舞いや言説を、経営者や従業員がたった一度でも行ってしまうと、それを理由にあっという間に営業が出来ない状態に追い込まれる事もありえます。(感染予防の対策をきちんとしない、反社会的なSNS投稿をする、顧客と口論になるなど)
老舗の企業であれば、以前からの取引先との固定的なやりとりだけで商売が回る場合も多く、世論の影響がほとんど無いかもしれません。が、開業したての小さなお店や会社は、一度の対応の失敗が、命取りになる可能性が高いです。
外部への情報発信は、特に注意深く行うべきで、経営者としては特に神経を使う必要がある面倒な時代ではあります。
3,全体的に消費需要は低下している為、業種選びは慎重に
景気・不景気いずれでも、資本主義社会で人間の集団がお互いに生きていくためには、何らかの経済活動が発生し、商売が成り立ちます。不景気ならそれはそれで、不景気の時代に人気になる商売、仕事をすれば、稼いで生活していくことは可能です。
逆を言えば、このご時世に合わない商売は、避けるべきです。えてして独立時には「昔からやりたかった夢」「あこがれの職業」「昔は儲かった商売」などをやりたくなるものですが、世の中と人々の傾向を見て、計画的・戦略的にビジネスプランを立てることが重要かと思います。
まとめ
結局、メリットとデメリットの双方について正しく比較した上で、ご自分なりに判断・決断を行って下さい。有利な点だけを活かし、不利な点はなるべく影響を抑える…という活動は、ぶっちゃけて言えばいつの時代でも同じかと思います。
開業とは自分と家族の人生を左右する出来事ですから、慎重に検討を重ねて、せめて後悔のないように進めていきたいですね。私もその例外ではありません。今後も経営についての考えをアップデートし続けながら、また後日その時点での考えを記事にしたいと思います。